
自然の芸術 縮み杢

木地師輝松作 純国産銘木行灯シリーズの中から
「栃(とち)」をご紹介します。
「トチ」はトチノキ科トチノキ属の落葉広葉樹。七葉樹とも呼ばれ
木肌がきめ細かくて美しく、加工性も良いため、
家具・建材・楽器・茶道具・彫刻材など
多岐にわたって使用されています。
種子(栃の実)はとち餅として食用にされます。
大径の樹の樹皮から少し内側を柾目挽きすると、
まれに表面が波状に縮(ちぢ)んで見える杢目が現れる
これを称して縮み杢と言います。
「栃といえば縮み」「縮みと言えば栃」と言われ、栃の命ともされています。
通常の真直な木目と違い、光の当たる角度によって絹のように光沢が変化する、
非常に稀有で美しい杢目です。
この杢目をきれいに引き出す塗装技術もまた職人のこだわりと技術の結晶です。
目止めをして磨いて、目止めをして磨いてを何度も繰り返し
次に下地をして磨いて、下地をして磨いてを何度も繰り返し
そして最終的に仕上げの上塗りをしてこのようなきれいな杢目が現れます。
材料の選定から塗装まで、熟練の職人のこだわりと技術の結晶です。
装飾的な価値が非常に高い行灯です。